分配法則って?
かけ算の分配法則は、「a × (b + c) = a × b + a × c」と表されます。これだけではピンとこないかもしれないので、具体例を用いて説明します。
3 × (2 + 4)
この場合、分配法則を使って計算すると「3 × 2 = 6」「3 × 4 = 12」となります。そして、最後にこれらの結果を足し合わせると「6 + 12 = 18」となります。
一方、( )を展開して計算する場合は「3 × 2 + 3 × 4」となり、結果は同じく「18」となります。このように、分配法則を使うことで、計算を簡略化することができます。
今日は、この分配法則を2年生の「かけ算」の学習で行います。
導入
(無言でトランプを4枚並べる)
トランプ!?何するの!?
(無言で1枚ずつめくる)
全部7!?
問題
4枚の合計はいくつになりますか。
見通し
7が4枚あるから、7×4で求めることができるよ
7+7+7+7でも求めることができるよ
この2つの考えは、きっとすぐに出ると思います。しかし、今回はもう1歩踏み込んで考えていきます。
しかけ
今回のポイントはトランプを使っていることです。盛り上がるだけで選んでいるわけではありません。トランプのマークの配置や向きをよく見てください。
青色と黄色の部分ではマークの向きが違います。ここが分配法則を学習していく上でのポイントとなります。そして、このマークの向きに子どもたちは必ず気づきます。
もう1つ。普段使用しているトランプから少し改良を加えています。
Before
After
この2枚を比べてお気づきでしょうか。
そうです、数字の下のマークを消しているんです。算数の学習ではノイズを出来るだけ消すことが指導者の役割だと思います。カードが7ならマークも7つであるべきなんです。しかし、普段使用しているトランプはマークが9つもあります。大人の感覚なら、違和感なくトランプを眺めることができるんですが、子どもたちの中には、それがノイズになり思考を妨げられてしまうことにもなり得ます。
こういった細かいところにも気を配り、手を打つことが大切です。それは算数の学習に限らず、他の教科や学級経営にもつながることです。
考え
その1
5×4=20
2×4=8
20+8=28
なるほど!7を5と2に分けて考えたんですね!
他の分け方もできます!
その2
6×4=24
1×4=4
24+4=28
おわりに
今回は7を5と2や6と1に分けて考えました。2年生ということを考えると分配法則の素地としては十分だと思います。慣れてきたら2桁の数字でチャレンジしてみるのもアリですね。むしろ2桁の方がイメージはつきやすいかもしれません。
今回学習した考えは、子どもたちが今後算数を学習してく上でとても役に立つものです。1度理解してしまえば、大人になってもずっと使えるものなので、丁寧に指導しましょう。
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