「分数」として自覚させる
「分数」は小学校2年生で初めて学習します。2分の1、4分の1と始まり最後は3分の1まで深めていきます。
分数は数学の基礎的な概念であり、日常生活でもよく使われる重要な割合の表現方法です。実は子どもたちは、算数で分数の学習をする前から、日常生活の中でたくさんの分数に触れてきています。
しかし、子どもたちは学習前に触れてきた分数に「無自覚」なのです。知らない間に分数に触れていたのです。
その無自覚で知らない間に触れていた分数を、算数の「分数」として自覚させるのが授業なのです。そのための手立てとして大切なのが具体物です。
今回の記事では、具体物を使った2分の1の授業について書いていきます。
使うのは小さいサイズの折り紙です!授業展開をほんの少し工夫することで、子どもたちの思考が働くようにします!
問題
折り紙を半分(2分の1)にしましょう。
子どもたちには折り紙を配り、実際に折って考えられるようにしましょう。
見通し
半分にする方法っていくつぐらいあるのかな?
確実に2つはあります!
3つあるよ!
3つもあるって言ってますが、そんなにもあるのかなー?
ここはクラスの実態にもよりますが、子どもたちの表情が曇っていたら具体的な方法の見通しもクラス全体でしましょう。「縦に切る」「横に切る」などの言葉を引き出しておくとよいでしょう。
反対に、子どもたちの表情が理解していそうなら、そこまで深くする必要はないと思います。個人でじっくりと問題と向き合わせてあげましょう。
考え
たてに2分の1
横に2分の1
ななめに2分の1(かどからかど)
※ななめは厳密には2種類あるが、考え方としては同じため1つと見なす。
おそらくこの3つは子どもたちから出ると思います。
しかし、これでは終わりません。ある一言を伝えます。それは・・・
さらに考えさせる一言
おー素晴らしい!3つもありましたね!
じゃあ、この3つ以外の方法で2分の1にできるかな?
えー、まだあるの!?
このように、当たり前と思っていたこと(出来たと思っていたこと)を覆すことは学習を深めるために、とても有効です。
子どもたちが手元に折り紙がない場合は渡してあげてください。実際に折り紙を使いながら試行錯誤して考えさせることが大切です。
「たて」「横」「ななめ」以外の方法
ななめに2分の1(辺から辺)
試行錯誤する中で、きっと子どもたちはこのような考えが閃くことでしょう。そして、これを言語化させることも大切です。
左の辺は上から2cm、右の辺は下から2cm
まとめ
4つの2分の1の方法があったけど、全ての共通点て何だろう?
全て直線で切っています!
必ず中心を通っています!
直線で中心を通れば2分の1をつくることができる。
具体物と発問で理解を深める
具体的な教材と質問の工夫は、算数の学習において極めて重要です。折り紙を使った実際の活動や、異なる解決策を引き出す質問を通じて、子どもたちは分数の概念をより深く理解することができます。
指導者の皆さんは、ぜひこのような実践的なアプローチを採用し、子どもたちの思考力を伸ばしていきましょう!
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