算数でディベート
ディベートとはある話題について異なる2つのについて論じ合うことです。この際、主観的に述べるのではなく、客観的な数字(データ)を用いて論じることでより説得力が増します。また、数字(データ)は論理的な思考を裏付ける重要な要素とも言えます。
そこで今回は算数の授業でディベートを取り入れていきます。子どもたちが必要な数字(データ)を自分たちで調べ、自分の主張や意見の説得力を高めていく学習を行っていきます。
「議題」で深さが変わる
今回の学習を進めていく上で、指導者が最も時間を割くべきは議題の選定です。
「お米 vs パン」「大人 vs 子ども」「沖縄 vs 北海道」などの議題では、深まりが不足します。より「数字」を活用できる議題を考えることが重要です。
導入
(新幹線と飛行機の映像を観せた後)大阪〜東京間なら、どっちで移動した方がいいかな?
新幹線!
え、自分は飛行機です!
どうしてそう思うのかな?友達が納得できる理由を教えて
子どもたちには、今回の学習の意図を説明してください。ただただ主観で「飛行機!」「新幹線!」では算数としての深まりは出ません。
議題
【東京〜大阪間】飛行機or新幹線 移動するならどっち?
進め方
まずは何も調べずに
まずは自分たちが持っている情報だけで考えます。
意思表示はICTが有効です。自治体に使っているアプリは異なりますが、色で表示させるのが分かりやすいです。例えば新幹線は青のカード、飛行機は赤のカードを提出させることで視覚的に分かりやすくなります。この時、「なぜ」「どうして」も書かせてください。
クラスの意見を読む
提出した全員の意見を読む時間を取ります。友達の意見を聞いて「なるほど!」「それは違うやろ!」と思うことも大切な学びです。
パソコンを使って調べる
ここではある程度しっかりと時間を確保してあげてください。パソコンを使って必要な情報を調べることは、令和を生きていく子どもたちには大切なスキルです。
自分の意見をまとめる
パワーポイントでも、キーノートでも、Googleスライドでもソフトは何でもいいと思います。ICTを使ってまとめることで即時共有が可能となります。
飛行機と新幹線のそれぞれの良いところ
実際に子どもがつくったデータが残っていましたので参考にしてください。(表は少し改良しています)
こうやって見ると「?」と思う項目はあります。それでも自分で観点を決めて、これだけ調べたことが素晴らしいですね。
数字(データ)を使うよさ
今回の学習では、「新幹線がいい」「飛行機がいい」を選ぶことが目的ではありません。数字(データ)を使って考えることの有用性を実感することが目的です。
「数値データを用いることで、それぞれの利点や欠点を客観的に評価することができる」
この気づきを得ることができれば、日常のあらゆる場面で算数を進んで活用することへとつながるはずです。
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