整数と小数
小学校5年生では「整数と小数」を学習します。通常、数と計算に関する領域は反復練習が多くなりがちですが、それだけでは子供たちに楽しみがありません。そこで、今回はゲーム形式の学習を導入し、子供たちに考える楽しさを体験してほしいと思います。
めあて
大きさ比べゲームをしよう!〜先生vs○年○組〜
ルール
・□.□ vs □.□
・裏を向けた0〜9のカードを引き、□に当てはめる。
・大きい方が勝ち
・ただし、数が小さい方はラッキールーレットを引くことができる。
ここでワンポイント!
ルーレットの数を工夫することで、ただの遊びではなくなります!
ワンポイントって?
ルーレットの数を「10倍」「100倍」「1000倍」や「10分の1」「100分の1」「1000分の1」にするのです。
最初は10倍や100倍の方から始めると良いでしょう。
次に10分の1や100分の1。
最後はミックスしたものでしてみても良いかもしれません。
授業の流し方
今日は大きさ比べゲームをします!
※盛り上がるような言い方で。
ゲーム!?楽しそう!
ルールを説明します・・・(一通り説明して、練習で1回行う)
次からが本番です。
今日は先生が勝たせてもらいますね!
勝つのは僕たちだよ!
導入では、子どもたちに「ワクワク感」をもたせるようにしてください。
この後は、普通にゲームを行うだけで盛り上がります。
より学びを深めるために
ポイント①
指導者は裏返しているカードの場所を全て把握しておく。そうすることで、どちらかが一方的に勝つのではなく接戦を作ることができます。授業を「偶然」や「運」に委ねることはやめてください。偶然や運によって学びの深さが変わるのは、子どもたちにとって不利益だと考えます。
ポイント②
ラッキールーレットを回す前に「もし」を考える。
もし10倍が出たら、どうなるかな?
もし10分の1が出たら、どうなるかな?
10倍なら○○○になります!
10分の1なら○○○になります!
このように、「もし」を考えることで、子供たちは自然と小数点の移動を意識できるようになります。算数科において「もし」の考え方は、大切にすべき要素の一つです。
まとめ
じゃあ、最後に「小数点の移動」について分かったことをまとめてごらん。
0の数だけ小数点が移動します。
○倍だと右へ移動して、○分の1だと左へ移動します。
おわりに
毎時間ゲーム形式の学習を実施する必要はありませんが、たまにこのようなアプローチを取り入れることで、算数が苦手意識を持たずに済みます。
「知的で考える楽しさを味わう授業」と「笑うことができる楽しい授業」の2つを使い分けることも必要なテクニックです。算数の授業を工夫し、子どもたちが学習を楽しんでいることを確保することが大切です。
自分自身の授業をふり返った時に、計算の反復練習ばかり行っていませんか?そればかりしていると子どもたちは算数が嫌いになってしまいます。算数嫌いな子どもたちをつくっているのは、もしかすると指導者自身の可能性も考えられます。
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