楽しく作図技能を伸ばそう
定規を使うことが苦手な小学生でも楽しく学べる方法をご紹介します。今回、必要なものは「B4の紙」「鉛筆」「定規」だけです。
手を動かしながら作図技能を高め、定規の使用に対する苦手意識を克服しましょう。これを授業で紹介した次の休み時間から、子どもたちは夢中になって取り組むことでしょう。詳細はぜひチェックしてみてください!
毎年、どの学年でも行なっています!
そして、毎年休み時間も夢中になるぐらい「作図ブーム」が訪れます。
このような指導をしていませんか?
「長さ5cmの直線をかきましょう」
「一辺が3cmの正方形をかきましょう」
「平行の関係にある2本の直線をかきましょう」など
もちろん、技能を高める第一歩としては、このような指導は有効かもしれません。しかし、それを繰り返していても子どもたちは楽しくありません。楽しくないということは、子どもたちが主体性をもって活動することへとはつながりません。
では、なぜ楽しくないか。
キーワードは「手段」と「目的」です。
一点透視図法
一点透視図法は、絵や図面に奥行きや立体感を与えるための手法です。一つの点(視点)から放射状に伸びる平行線を使って、遠近法に基づいた視覚的な効果を表現します。
と、説明を読むだけではピンとこないと思いますので下の写真をご覧ください。
「一点透視図法」と聞くと、難しく感じますが、実際に見てみるとどうでしょうか。
出来る気がしませんか?やってみたくなりませんか?
導入
今日は・・・んー出来るかな・・・
ちょっと難しいことにチャレンジしようと思うんだけど・・・
出来るよ!
何をするんですか?
中学生や高校生レベルの内容だから・・・
やっぱり、やめておこっか?
やってみたい!
内容を教えて!
ポイント
①子どもたちを焦らす。
②難しいことをする(中高生レベル)ということを伝える。
この2つの要点を大切にしてください。子どもたちは背伸びするチャレンジが大好きです。
“中高生レベル”という言葉を使うことで、少し大人になった気分になり、頑張る気持ちが高まります。
一点透視図法のかき方
用紙の中心に点をかく
用紙の右下に正方形をかく
中心と頂点を直線で結ぶ
場所を変えて繰り返す
すごい!何かが飛び出しているように見える!
ビルや電車のように見えるよ!
条件をつけて学びを深める
一点透視図法のかき方を教えてあげるだけで、子どもたちは夢中になって次から次へとかいていきます。そして、ここで条件を付け足すことで「算数として」の学びを深めていきます。
例
・1辺5cmの正方形を3つ以上かいた作品を仕上げましょう
・長方形と正方形を作品の中に、それぞれ2つ以上かいた作品を仕上げましょう
・正三角形、二等辺三角形、直角三角形をかいた作品を仕上げましょう
子どもたちは「美しい一点透視図法をかきたい!」という思いから、普段より丁寧に作図をします。
さいごに
子どもたちにとって、これまでの作図は「線をまっすぐ」「長さが同じ」といった基本的なスキルの向上が主な目的でした。
しかし、一点透視図法を使って美しい作品を描くことが目標となると、作図技術を向上させることが手段として必要になります。
子どもたちが美しい作品を描くために熱中し、その過程で作図スキルが向上していくことでしょう。
今回のように、子どもたちが夢中になる要素を取り入れることは、授業を考える上で非常に重要です。
コメント