ゲーム性を取り入れてモチベーションUP!
小学校算数における九九の学習は、基本的な乗算(かけ算)の知識と計算能力を身につけるための重要な学習の一つです。
指導者や保護者の中にも「九九をどのようにして覚えさせよう・・・」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。よくあるのは、ひたすら暗唱させるという方法です。自分も子供の頃もそのようにして九九を覚えた記憶があります。
でも、考えてみてください。機会的に暗唱を繰り返すことに、子どもたちは算数の楽しさを見出すことができるのでしょうか。「やっている学習」ではなく「やらされている学習」になってしまうのではないでしょうか。
そこで、今回の学習では子どもたちが意欲的に九九を覚えるために、あるゲームを取り入れます。
九九野球
くくやきゅう?
聞きなれない言葉だと思いますが、これは私がつくった造語です。読んで字のごとく、九九で行う野球のことです。野球といっても運動場へ行って行うものではなく、教室の中で行います。以前、学習参観でも行いましたが保護者にも大好評でした。当時、受け持った子どもたちはもう高校生になっていますが、今でも九九野球のことを言ってくれています。
では、九九野球とはどのようなものなのでしょうか。
ルール
2チームに分ける
・クラスを廊下側と窓側の2チームに分けます。
・攻撃側と守備側に分かれます。
得点表は野球と同じようにします。
2つの箱を用意する
このような2つの箱を用意します。
・黄色の箱には「1〜9」と書かれたカードが複数枚入っています。
・青色の箱には「40秒」「20秒」「20秒」「10秒」と書かれたカードが複数枚入っています。
40秒=ヒット、30秒=2塁打、20秒=3塁打、10秒=ホームラン
箱からカードを引く
・守備側のチームが黄色の箱、青色の箱からそれぞれ1枚ずつカードを引きます。
例えば、黄色の箱から「5」、青色の箱から「40秒」と書かれたカードを引いたとします。
チャレンジタイム
・攻撃側のチームから1名が「5の段」を「40秒」で言うことにチャレンジします。
クリアできたらヒット。クリア出来なかったら1アウトとなります。
あとはこれを繰り返す
基本的なルールはこのような感じですが、クラスの実態に応じで変更していくことが大切です。
準備物
2つの箱
カード
・1〜9と書かれたカード複数枚
・10秒、20秒、30秒、40秒と書かれたカード複数枚
野球のフィールド
ネームプレート
塁に出た際はネームプレートを貼ってください。
留意点
・相手チームに対して「失敗しろ」のような空気にしてはいけません。とにかく点の取り合いで盛り上がるイメージです。
・攻撃側についてはランダムに指導者が当ててもいいですし、席順でもいいと思います。
おわりに
子どもたちは九九野球で活躍したい思いから、自主的に九九を覚えようとします。私は事前に「○曜日の○時間目」と予告して行っていました。そうすることで、子どもたちは目標に向かって頑張ります。
親や先生に「覚えなさい」と言われてやるのと、自分自身でやるのでは意味合いが違います。低学年という学年を考えると、このように何か目的をつくってあげ、それに向かって頑張ることが大切だ思います。
九九を覚えることが目的ではなく、九九を覚えるのは九九野球で活躍するための手段にすればいいのです。
九九野球を取り入れることで、きっと教室に九九ブームがやってくることでしょう。
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