拡大図と縮図
小学校6年生の図形領域の中で拡大図と縮図を学びます。拡大図と縮図は、図形や絵などの対象物を大きくしたり小さくしたりするための表現方法です。形を変えずに大きさだけ変えた図といった方が分かりやすいでしょうか。
拡大図と縮図の良さの1つに「物体や図形の特徴や相対的な大きさの比較を容易にすることができる」が考えられます。そのため、地図や建築図、工学図などの実際の応用分野でも広く使用されています。
このように拡大図と縮図は日常生活の様々な分野で活躍しています。それにも関わらず、実際の単元では「算数の世界」だけで完結してしまうことにもったいなさを感じてしまいます。
そこで、今回は拡大図と縮図と子どもたちの身の回りの「何か」と絡めて授業をすすめていきます。
今回はICT機器を使っていきますよ!
準備物
・1人1台タブレット(グーグルアース)
問題
500分の1の大きさにした、国立競技場の芝生部分をノートにかきましょう。
学習内容
自分たちで必要な長さをグーグルアースを使って計測し、その長さを500分の1にしたものを作図します。インターネット検索ではなくグーグルアースを使って計測することがポイントです。その理由は後ほど述べます。
グーグルアースの使用方法(iPad)
①左のメニュー。下から3番目の定規マークを選びます。
②計測したい位置に点を合わせます。
③計測したい位置まで線を伸ばします。
考え方
グーグルアースで計測した結果
【横】約105m 【たて】約70m
105mの500分の1の長さは何cmでしょう。
105÷500=0.21です!
ん?0.21cmですか?
0.21mなので、それをcmに直すと21cmになります!
進め方
コレほどスムーズには中々いきません。ここは、ゆっくり、丁寧に行ってください。そして、この要領で70mを7cmということも理解させてあげてください。
cmに直せたら、実際にノートにかかせてください。サッカーコートは長方形なので、6年生だとすぐにかき終えるはずです。恐らくかき終えた時点で、まだ授業時間が余っているはずです。なので、追加の問題を行っていきます。次は全て自力解決させてもよいかもしれません。その辺りはクラスの実態と相談してください。
問題2
わざわざグーグルアースで計測した理由の1つとしては、子どもたちがグーグルアースを使って色んなモノ(場所、建物など)を計測したくなるんです。そこで、追加の問題は「自分が計測したいもの」「自分で計測する」「何分の1にするかも自分で決める」「ノートにかく」を行いましょう。
例
これまで私が受け持ったクラスで、子どもたちがかいていたものを紹介します。
・学校の敷地(この場合、複雑な形にはなりますが・・・)
・大山古墳(教科横断的な視点が加わっていますね!)
・甲子園球場(野球好きな男の子なら考えますよね)
・自分の自宅の敷地
など
休み時間もしたくなる授業!
今回の学習では、きっと子どもたちは前のめりに学習を行います。チャイムが鳴った時に「もっとしたい!」「次の時間も算数でええやん!」などと言うかもしれません。休み時間に入っても続ける子どもたちもいるかもしれません。自主学習で行ってくる子どもたちもいるかもしれません。
毎時間は難しくても、たまに子どもたちが前のめりになるような学習を行ってあげてください。それを続けていけば、算数が好きな子どもたちが増えるはずです。毎日の算数の時間が楽しい時間になるのか、そうでない時間になるのかは指導者の腕にかかっています。
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