ヒストグラム(柱状グラフ)
6年生「資料の整理」の単元ではヒストグラム(柱状グラフ)が出てきます。教科書では写真のように、ソフトボールを例にして取り上げている会社が多いと思います。子どもたちには棒グラフとの違いを聞いてみると、色んな気づきを発表してくれると思います。
今回はヒストグラムを少し踏み込んで学習していきます。たった1つのヒストグラムを掲示するだけで、子どもたちは意欲的に考えることでしょう。
導入
(大谷選手のホームラン映像を観せる)
大谷や!
大谷選手は前半戦だけでメジャーリーグトップの32本のホームランを打ちました。
知ってる!
32本のホームラン数とホームランの飛距離をグラフにまとめたものがコレです。
問題
大谷翔平選手のホームランの平均飛距離は何mでしょう。
ポイント
まずは直感で○mと発表させましょう。グラフからイメージを働かせることは大切なことです。
考え
分かりそうで分からないという、手が届きそうで届かない。子どもたちはきっとそのような感覚になるでしょう。
平均飛距離=飛距離の合計÷ホームラン数
これを使うことは分かっています。もっと言うと、ヒストグラムを見るとホームラン数が32本だということはすぐに気づくはずです。
問題は飛距離の合計。これがややこしい!では順番に見ていくことにしましょう。
階級値を求める
階級値=(階級の端+階級の端)÷2
例として1番左の階級(114〜120)を例に説明します。
(114+120)÷2=117
全ての階級値を求めていきます。
■階級114〜120:階級値117
■階級120〜126:階級値123
■階級126〜132:階級値129
■階級132〜138:階級値135
■階級138〜144:階級値141
■階級144〜150:階級値147
度数を読み取る
度数=ホームラン数
■階級114〜120:度数4
■階級120〜126:度数9
■階級126〜132:度数6
■階級132〜138:度数9
■階級138〜144:度数3
■階級144〜150:度数1
階級値×度数
■117×4=468
■123×9=1107
■129×6=774
■135×9=1215
■141×3=423
■127×1=147
階級値×度数の合計は4134
平均値の公式
4134÷32=約129
答え 平均約129m
さいごに
子どもたちはヒストグラムから平均値を求める公式も、階級値が云々のことも知りません。知らなくていいんです。その中で「あーでもない、こーでもない」と現在自分が持っている道具を使ってチャレンジしていくことが大切なんです。
きっと、色んな答えや考えが出てくることでしょう。そして、そこには根拠もあるはずです。その根拠の部分をクラスで共有しながら「なるほど!」「その手があったか!」と全員で気づいていくことが大切です。この授業は一人ひとりが仮説を作り、それを共有していくイメージで進めてください。
今回の学習のようにグラフから想像を働かせて平均を推測して仮説をつくる学習は、正直なところ難易度は高いです。しかし、算数として思考する楽しさを味合わせることも指導者としては必要なことだと考えています。
正しい答えを見つけるのではなく、自分の仮説をつくることにウエイトを置いてください。
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